Release 10.0, Ratified, June 2020
GS1ヘルスケアGTIN設定ルール
ヘルスケア分野のためのGTIN設定ルール
1 序文
Global Trade Identification Number (GTIN®) は、サプライチェーン上のどこかで、事前定義された情報を引き出し、価格設定、受発注、請求などを行う可能性がある商品を識別するための国際標準のコードです。
このヘルスケア GTIN 設定ルールは、商品の固有の識別をどのように管理するかについて、業界が一貫した意思決定を行うのを補助するために設計されています。このルールは、GS1 Global Standards Management Process (GSMP)に準拠して策定されており、GS1 の標準システムの一部とみなされています。サプライチェーンのすべてのパートナーがヘルスケア GTIN 設定ルールを遵守することにより、効率性と患者の安全性が向上すると同時に、全体的なコストを最小限に抑えることができます。
商品の固有識別は、世界規模でのサプライチェーンの円滑な運営を確実なものとし、製品に関する情報交換を一貫した方法で行うことによって生ずる運営効率を維持するために極めて重要です。
さらに、商品の固有識別は、世界中の様々な規制を遵守する際にも極めて重要です。取引先間での固有識別の変更についての伝達は、正しい製品を必要なときに利用可能とするために不可欠です。
注:GS1 ヘルスケア 設定ルール全体で使用されている「製品」という用語は、GTINが設定されている商品を指します。
1.1 目的および規制に関する免責事項
1.2 範囲
1.3 基本原則
1.4 製品変更と比較した新製品の定義
1.5 GTIN再利用禁止
本文書は、サプライチェーンの効率を向上し、患者の安全を確保することを目的としてGS1標準を導入するための世界的に調和された枠組みを提供することを目的としています。
重要:ヘルスケアGTIN設定ルールは最低限の要件を表しています。より厳格に遵守されなければならない市場領域の規制が存在する可能性があるので、注意してください。詳しくは、Healthcare Public Policy Interactive Mapを参照してください。
GS1標準は、サプライチェーン業務の向上、プロセスの効率化、および患者の安全性向上のための規制要件の遵守に役立ちます。本文書は、規制対象のヘルスケア製品へのGlobal Trade Item Number (GTIN)の設定に関する明確なルールを提供するものです。
本文書に概説されているルールは、規制対象のヘルスケア部門を対象としています。そのため、記載されているルールの一部は、他の分野には適用できず、GTIN Management Standardには含まれていません。両方の文書に記載されているルールを調和させるための様々な努力が行われています。
注:付加的な用語は本文書のセクション5およびthe online glossary on the GS1 website、 GS1 General Specificationsに記載されています。
注:全般的な情報については、GS1 Healthcareウェブサイトを参照してください。
新しい商品のGTIN設定戦略を策定する際や、既存の商品に変更を行う際には、ブランドオーナーは以下の基本原則を考慮に入れてください。
■ 包装中の製品:利害関係者(例えば、医療提供者、消費者、患者、規制当局や取引先)が、変更された製品または新しい製品を以前あるいは現在の製品と区別することが予期されるか?
■ ラベル/包装:消費者や取引先に変更を開示する規制上または責任上の要件はあるか?
■ ラベル/包装:サプライチェーンに影響を及ぼす実質的な変更はあるか(例えば、商品がどのように出荷、保管、受領され、医療現場で取り扱われているか、など)?
注:GTINの変更が要求されるには、基本原則の少なくとも1つが適用されなければなりません。
取引プロセス、対象となる用途、あるいはポイント・オブ・ケアに関連して、2つの製品を異なる製品として取り扱うことがある場合には、必ずそれぞれ別に一意のGTINが必要となります。
製品の識別を決定する際には、新製品と既存製品の変更との違いを理解することが重要です。
新製品とは、現在、ブランドオーナーが提供する製品としては存在せず、市場に新たにもたらされるものを指します。新製品は、既存の提供製品への「追加」とみなされるべきです。GS1標準およびヘルスケア GTIN 設定ルールでは、市場で現在入手可能なもの、または製造中止された過去に存在していた製品と正確に区別するために、新製品には新しいGTINを設定することが求められています。
既存製品の変更は、ブランドオーナーによって決定される「代替製品」とみなされます。ヘルスケア GTIN 設定ルールでは、既存製品の特定の属性に対して、新しいGTINが必要となるような変更が行われた場合には、新しいGTINが必要となると定められています。
■ 新製品:「新製品」とは、現在存在しない、または販売されていない製品であり、ブランドオーナーのポートフォリオの追加、市場にとって新しい製品と定義される。
■ 製品変更:現在ブランドオーナーのポートフォリオに入っており、市場で入手可能な既存商品で、属性が変更されたもの。
一旦設定したGTINを別の商品に再設定してはいけません。ヘルスケア関連企業は、規制対象ヘルスケア商品に設定されたGTINを決して再利用しないようにしなければなりません。
例外:過去に市場から引き上げた規制対象ヘルスケア商品で、ヘルスケア GTIN 設定ルールやGTIN設定ルール によって規定されているような、新たなGTINが必要となる修正や変更を行うことなく再発売される場合には、元のGTINを使用することができます。
例: 第一世代の注射用抗生物質製剤である「製品A」は、販売が減少したため、メーカーが市場から引き上げた。10年後、新しい抗生物質に耐性を持つ感染症の治療薬として、メーカーは元の形態とパッケージ構成で、「製品A」を再発売した。この例では、元のGTINを使用しても構いません。
注: 規制対象のヘルスケア製品に設定したGTINは、以前より再利用禁止の方針で運営されています。規制対象のヘルスケア製品以外に対しても、デジタルビジネスの需要に対応するため、2019 年1 月1 日に、総合的なGTIN再利用停止ルールが施行されました。2019 年1 月1 日より前に製造中止され、市場から引き上げた商品のGTINは、1 回に限り(*)再利用を考慮にいれることが可能です。ただし、データが重複するリスクを避けるため、すべてのGTINについて再利用禁止ルールに従うことが強く推奨されています。
(*) GTINが2019 年1 月1 日以前に引き上げられた商品のものである場合には、以前のルールが適用されます。
詳細については、 GS1 General Specifications、GTIN Non-re-useのセクションを参照してください。
2 GTIN設定ルール
ヘルスケア領域では規制は極めて重要ですが、規制対象ではないヘルスケア製品の大部分は、一般的な小売環境での設定ルール(GTIN Management Standardを参照してください)と概ね同じルールに準拠しています。本ヘルスケアGTIN設定ルールには、一般的な小売環境でのルールには記載のない、規制対象のヘルスケア部門で必要とされる設定ルールが含まれています。
本セクションの設定ルールは、あらゆる種類のヘルスケア商品に適用されます。
以下は、ヘルスケア GTIN 設定ルールに準拠するため、新製品、変更(交換)製品、または同等の製品に対してGTIN設定しなければならない場合を定めるルールです。
注:同等 - 特定の市場において、供給者が定義した既存の商品と機能的に同一であり、既存の商品の代替となりうる製品。
■ 例えば、製品ラベル上の規制表記が、特定の市場におけるライセンス取得や製品登録に何らかの形で影響し、流通チャネルを限定している場合、サプライチェーンの目的および規制上のコントロールのために、別のGTINを用いて製品を一意に識別することが求められます。
■ 市場が異なれば、同じ水準の制約(ライセンスや製品登録など)は課されないかもしれません。つまり、制約のない市場では、機能的に同等な両方のバージョンの製品は同等のものとして取り扱われることを意味します。
ヘルスケア GTIN 設定ルールは、商品の固有の識別についてヘルスケア業界が一貫した意思決定を行うのを補助するために設計されています。本ルールは、GS1 Global Standards Management Process (GSMP)に準拠して策定されたものであり、GS1標準の一部と考えられています。
GTINを変更するかどうかの最終決定を行う際には、ヘルスケアGTIN設定ルールと3つの基本原則を考慮して下さい。
2.1 新製品の導入
2.2 表示された成分または機能
2.3 正味内容量の表示
2.4 外寸または総重量の変更
2.5 認証マークの追加または削除
2.6 プライマリーブランド
2.7 期間限定の製品または販促製品
2.8 パック/ケースの数量
2.9 あらかじめ決められた詰め合わせ
2.10 本体表示価格
「新製品」とは、現在存在しない、または販売されていない製品と定義され、ブランドオーナーの品揃えの追加であり、市場にとって新しいものです。
新商品には、新しいGTINを設定する必要があります。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 医療提供者、消費者や取引先は、新製品と以前の/現在の製品とを区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制や責任開示要件はあるか? | サプライチェーンに実質的な影響があるか(例えば、その製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)? |
新製品の導入 | YES | YES | YES |
2.1.1 異なる言語表記
ここでは、当該製品が販売される予定のターゲット市場のために、言語を追加あるいは削除する場合の商品へのGTIN設定を説明します。この内容は、包装に印刷された言語と同様に、商品の一部と考えられるマニュアルや添付文書の言語についてもカバーするものです。
製品が販売される場所や取引先とエンドユーザーの関わり方に影響を及ぼすような言語への変更が生じた場合には、新しいGTINを設定する必要があります。
GTIN割り当ての階層レベル:
■ GTIN は、言語が表記されている階層レベル(つまり、特定の言語を含むパッケージレベル) に設定します。
■ より上位の階層レベルごとに固有のGTINを設定します。
新しいGTINの設定が必要となる場合の例:
■ 言語が単一の製品で目的の市場や国が異なる場合
表示言語の異なる2つの同一製品-例えば一方は英語圏対象で、もう一方はスペイン語圏を対象としているような場合、この2つの商品は並行して存在し、(市場の受け入れおよびラベリングに関わる地域の法令により) 代替することができません。そのため、一方のターゲット市場や国で販売するために、新たに言語を変更した製品には、もう一方のターゲット市場や国で販売されるものとは別の新しいGTINが必要となります。
図2-1 新製品-新しいGTIN
■ ある言語が多言語のパッケージから削除されるときは、新しいGTINを設定しなければなりません。
図2-2 パッケージからの言語の削除-新しいGTIN
マニュアルやリーフレット
製品パッケージにマニュアルやリーフレットが含まれている場合は、それらはGTINで識別される商品の一部であると考えられます。したがって、上記の言語に関するルールが適用されます。
製品パッケージに複数のリーフレットが含まれている場合は、上記の言語の削除および追加に関するルールが適用されます。
製品または包装上に新たなラベルを貼付し、元のラベルの情報を部分的または全体的に覆い隠す (すなわち、完全に見えなくなる)場合で、覆い隠した元のラベルの情報を新しいラベルに表示しない場合は、新しいGTIN が必要になります。
注:従来から表示されている情報を隠さずに追加でラベルを貼付する場合には、新たなGTINは不要です。
新しいGTINが不要な軽微なアートワーク修正の例:
商品交換に影響しない程度の、取引先にも影響がないと考えられる、軽微なアートワークまたはその他の軽微なパッケージの変更には、異なるGTINの設定は不要です。
図2-3 軽微なパッケージの更新-同じGTIN
複数の市場で販売されている商品パッケージへの言語追加
単一言語の包装とは異なり、多くの製品は複数の国や市場向けにも包装されます。商品に、既存の言語に加えて他の言語を追加する場合は、GTINは同じままとなります。
図2-4 既存のパッケージへの言語の追加-同じGTIN
追加情報:
■ 製品が販売されるターゲット市場での、言語要件に関連する規制を考慮してください。
■ 複数の言語表記が要求されるターゲット市場もあるので、各国の規制を考慮してください。
2.1.2 商品階層へのGTINの設定
ここでは、商品階層のすべてのレベル(例えば、使用単位(unit of use/single unit)、単品(each)、内袋、ケース、パレットなど)への GTIN の設定について説明します。サプライチェーン上のどこかで、事前定義された情報を引き出し、価格設定、受発注、請求などを行う可能性がある商品階層のレベルには、GTINを設定します。場合により、商品階層はパッケージ階層と呼ばれることもあります。ブランドオーナーがGTINを階層レベルを決定します。
規制対象ヘルスケア商品に対するマーキング(例:バーコードの使用)に関する情報はGS1 General SpecificationsのHealthcare Secondary Packaging (Regulated Healthcare Retail Consumer Trade Items)というタイトルのセクションで扱われています。追加の実施情報については、GS1 AIDC Healthcare Implementation Guidelineを参照してください。
使用単位(unit of use/single unit)
ほとんどの分野の製品は、複数のパッケージ階層レベルで識別されます(セクション2.8参照)。GS1標準での商品の取引上の最下位階層レベルは慣例上「単品(each)」レベルと呼ばれています。「単品」レベルの商品には複数の使用単位が含まれることがあります。この場合、使用単位(unit of use あるいはsingle unit)と呼ばれる、「単品」以下のレベル(levels below the each)の識別が必要とされることがあります。本ルール上では、unit of useとsingle unitは同義として扱います。 (本日本語訳では共に「使用単位」と訳しています)
注:ターゲット市場によっては、単品を下回るレベルへのラベル表示要件が適用される場合があります。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINは「単品」レベルに設定します。
■ より上位のパッケージ階層へは、これらの階層が商品とみなされる場合に、各階層レベルに一意のGTINを設定します。詳しくはセクション2.8を参照してください。
■ 単品より下位の階層、すなわち使用単位にも、GTINを設定するべきです。ただし、それらの階層にはバーコード表示が行われることもあれば、されないこともあります。
GTINを必要とする場合の例:
医療機器
医療機器では、サプライチェーンにおける正確性とトレーサビリティを確保するために、最下層のパッケージより下位の階層は製品の単体個品とすることが推奨されています。
注: ただし、わずかながら例外として、最下層パッケージより下位に、さらに複数の階層レベルを持つ製品があることがわかっています。
図2-5の例では、「単品」は2つ入りです(イラストでは、シリンジが2本入っていることを意味しています)。この場合、1つの「単品」には2つの「使用単位」が含まれています。
図2-5使用単位による階層
次の例では、使用単位のシリンジが、2通りの構成で流通します。販売する商品(すなわち、「単品」)は、3本入りのものと8本入りのものです。どちらの構成においても、使用単位は同一のGTINですが、それぞれのパッケージ階層には異なる一意のGTINを設定します。
図2-6この例では、使用単位(GTIN-Y)が、2つの異なる商品階層群に梱包されています。使用単位(GTIN-Y)は、バーコード表示されている場合とされていない場合とがあります。
電極:
心電図で使用される電極の場合、最も小さな取引包装単位は3、5あるいは10枚の「ストリップ」が入った「袋」で、各「ストリップ」には5または10個の電極がついています。袋は最も小さな取引単位(サプライチェーンで追跡される最も下層のレベル)であり、それより上の階層として、5または10個の袋を包装した中間包装が存在し、出荷ケース(すなわち物流単位)には、この中間包装が4個または6個という具合に含まれる場合があります。ストリップや電極は個別包装されません。
このような例では、電極が使用単位になります。患者への装着位置は決まっていますが、各操作で使用される電極の数が揃っていない場合があります。使用数が変動する理由は、時に、電極が剥がれて新しいものが使用されることがあるからです。1つのストリップには複数の患者に使用される電極が含まれているかもしれませんし、保管場所や台車から取り出されたり、使用されなかったものが保管場所に戻されたりすることもあるかもしれません。
図2-7および図2-8の例では、「単品」、「ケース」、および「パレット」は取引される商品であり、それぞれ別の一意のGTIN(それぞれA、B、およびC)で識別します。「単品より下位の階層には、使用単位があり、それにはGTIN(GTIN Y)を設定します。ただし、使用単位へのマーキング(すなわち、バーコード表示やHRIまたはNon-HRI)は行うこともあれば行わないこともあります。
図2-7 使用単位を持つ階層構造(グルコース試験紙例)
医薬品
図2-8 使用単位を持つ階層構造
包装されていない単一の丸薬/錠剤/カプセル/カプレット、およびそれらがブリスターセル状に包装されたもの
包装されていない単一の丸薬、錠剤、カプセル、またはカプレットに設定した GTIN は、AIDC 技術を使用してマーキングされること(例えば、バーコード表示)は想定されていません。ミシン目の入ったブリスター包装のように、個々の使用単位へ簡単に分離できる製品単位が複数「単品」に 含まれている場合、個々の使用単位は識別されるべきですが、マーキングは行うこともあれば、行われないこともあります。
図 2-9 この例では、ブリスターカードが単一の GTIN で識別され、マーキングされています。使用単位は GTIN で識別されていますが、マーキングはされていません。マーキングはブランドオーナーの裁量によります。
図 2-10 この例では、それぞれのブリスターセルが識別されマーキングされています。ブリスターカードは識別されず、またもマーキングも行われていません。マーキングはブランドオーナーの裁量によります。
追加情報:
未包装の溶液/液体/クリーム/ゲル/粉末/エアロゾル
例えば、液体、クリーム、ゲル、粉末、およびエアロゾルが未包装の場合には、GTINが設定されることは想定されません。ただし、規制により要求される場合、又は取引先との関係の中で合意されている場合はこの限りではありません。これらの未包装品に割り当てられたGTINは、AIDC技術を用いたマーキング(例えば、バーコード表示)は行われません。
注:ケースやパレットなどのより上位階層の包装の場合は、商品として識別する際にはGTINを用います。輸送や保管の目的で商品をまとめている場合(グルーピング)は、そのグルーピングは物流単位として扱われ、出荷梱包シリアル番号(SSCC)を用いて識別します。ケース、パレット、またはその他の商品グルーピングには、製品識別のためのGTINと、物流用途を目的としたSSCCの両方を設定することがあります。SSCC の詳細情報については、GS1 General Specificationsを参照してください。
一次包装と二次包装の1対1(1:1)関係での区別
ヘルスケアのプロセスの中では、ヘルスケア商品の一次包装と二次包装とが「1対1」(1:1)の関係であっても、それらを明確に区別することを求められることがあります。例としては、箱入りのクリームのチューブ、箱入りのバイアル、箱入りの注射器などが考えられます。このような商品について、規制要求がある場合や、規制要求が無くとも取引先との関係の中で合意された場合に、一次包装と二次包装に異なるGTINを設定することがあります。GTIN の設定および GTIN のマーキングは、ブランドオーナーの裁量で行われます。
商品グルーピングについてのより詳しい情報は、GS1 General Specificationsを参照してください。
詳細情報は、GS1 General SpecificationsのHealthcare Primary Packaging (Non-Retail Trade Items)を参照してください。
2.1.3 単回使用で滅菌をしない機器/単独で販売されることがない複数の機器
1つの包装に複数包装された単回使用で滅菌をしない医療機器、及び、一般的に別々で販売されることがない複数の機器(例えば、個別に未包装であり、1つの袋に収納されている綿棒の束)には、固有のGTINの設定が必要となることがあります。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINは「単品」レベルに設定します。
■ より上位階層の包装には、それらの階層が商品として取引される単位であると考えられる場合に、各商品階層に一意のGTINを設定します。詳しくはセクション2.8を参照してください。
■ 単品より下位階層である使用単位までGTINを設定することがあります。ただし、それらの階層ではマーキングは行われることもあれば、行われないこともあります。
新しいGTINを必要とする場合の例:
単独で販売されることがない複数の機器で、GTINを設定する必要があるかもしれない機器の例としては、大量のネジ/ピン、手袋/ガウン、綿棒、テープ、綿棒の束といった、個包装されずに一つの袋に収納されているものがあります。また、単回使用で滅菌をしない機器の例としては、ガーゼ、綿棒、ティッシュなどがあります。
追加情報:
複数回使用で滅菌をしない機器については、セクション2.1.4を参照してください。
2.1.4 複数回使用で滅菌をしない機器
複数回使用で滅菌をしない機器の使用単位にもGTINは設定するべきです。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINは使用単位に設定します。
■ 価格設定、受発注、または請求が行われる各階層の包装に対して、別々のGTINを設定します。
例:
使い捨てでない血圧測定用カフは、複数回使用で滅菌をしない機器の一例です。
追加情報:
単品より下位のレベル(例えば、使用単位)に設定したGTINは、AIDC技術を用いてマーキング(例えば、バーコード表示)されることがあります。機器の種類によっては、ダイレクトパーツマーキングに関する規制要件があります。
2.1.5 バリアパック-内側から外側へのシール(SITOプロセス)
原則として、各包装レベルは別の一意のGTINを必要とします。しかし、無菌二重バリア包装のように一方のバリアのみでは無菌が保てないような独特の製造工程を要するものがあります。このような場合、2つの包装は、一体的なものとして単一の包装とみなします。高位の階層(外側のバリア)が低位の階層(内側のバリア)を1つだけ含んでおり、内側のバリアが製造工程内で無菌状態を形成するために外側のリアを必要とします。このような場合、製造工程終了後に形成される独立した別々のバリアレベルの構造は、それぞれ別々のGTINの設定が必要なパッケージ階層とはみなされません。図2-11バリアパック(無菌包装)を参照してください。
以下の例は、滅菌に2つの包装レベル(すなわち、二重バリア包装)を必要とする典型的な製品を示していま。縫合糸を使用する場合、これらの包装は無菌環境でのみ開封されます。ホイルパウチ自体や縫合糸そのものは別個のGTINを必要としません。この例では、ブリーザーパウチに含まれるホイルパウチは1つであり、それ自体に含まれる縫合糸も1つであることに注意してください。これは、この商品に同じGTINを設定するうえでの前提です。ホイルパウチに複数の使用単位が含まれている場合のGTIN設定に関しては、セクション2.1.2に従った、使用単位のルールが適用されます。
図2-11 バリアパック(滅菌包装)
「機能」とは、特定の用途のために設計された効能と定義されます。「成分」とは、商品を製造するために使用される材料または構成物のリストと定義されます。
法的に要求される製品包装上の情報表示に影響が及ぶ成分または機能の変更は、ブランドオーナーが、顧客やサプライチェーンのパートナーが変更前後の製品間の差異を区別すると想定される場合にのみ、新しいGTINの設定を必要とします。新しいGTINの設定を必要とする条件を満たす必要があります。
新しいGTINを必要とする場合の例
■ 製品中の有効成分の変更
■ 製品中の添加物の変更
■ 一次包装用の資材の変更
■ 臨床検査機器への新しい検査法の追加
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品または新しい製品を以前あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
表示された成分または機能 | YES | YES | YES |
2.2.1 患者個別の製品
個々の患者に特化して製品が調製される場合(例えば、病院の薬局またはインプラント製造業者などで)、製品を調製または製造する事業者がGTINを設定する責任を負います。患者固有の製品は、個々の患者や特定の製造方に一意に紐づくように識別されるべきです。
GTIN設定の階層レベル:
■ 成分、基本的な処方、効能、基本設計などの主要な特性によって定義されたベースの製品にGTINを設定します。そして、患者固有の製品を、ベースの製品に設定した GTINと、バッチ/ロットやシリアル番号によって識別します。ベースの製品の主要特性のいずれかが変更された場合には、新しい GTIN を設定します。
注: ブランドオーナーの裁量で、患者固有の製品それぞれに新しいGTINを設定することもできます。この方法は、製造者または調剤者が利用できるGTINの数によって制限されます。
例:
病院の薬局では、特定の患者向けに調整した特殊な薬剤を調剤することがあります。これは「特殊製剤」と呼ばれることもあります。
構成可能医療機器での例についてはセクション2.2.2を参照してください。
2.2.2 構成可能医療機器
構成可能医療機器とは、複数の構成品から構成される製品であり、その一部は製造業者が提供するリストに基づいて顧客が選択することができることもあります。選択可能な構成品は製品設計によって決定されます。すべての場合において、構成可能医療機器は、単一の商品とみなされ、かつ、単一の商品としての使用が意図されています。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINは、構成可能医療機器全体に割り当てられます。
□ オプション1:機器の最終構成に対してGTIN を設定します。例えば、カスタマイズされた構成可能医療機器の場合、それぞれに一意のGTINを設定します。
□ オプション2:GTINをベースの構成品(デバイスの、オプションの構成品が追加される部分)に設定します。例えば、ベースベッドフレーム/シャシー、ベースモニタスタンドなど。完成時、機器のカスタマイズ終了段階でシリアル番号を割り当てます。機器の変更、修理または保守は、変更、修理または保守のログを介して、シリアル番号レベルで追跡することができます。
■ 機器の形態、適合性または意図する用途に影響を及ぼす必須構成品の変更には、GTINやGTINと構成可能医療機器全体のシリアル番号の変更が必要となります。必須構成品とは、当該機器の機能を提供するために不可欠な構成品をさします。当該機器の形態、適合性および機能に影響を与える必須構成品の変更または除去が発生した場合は、GTIN の変更が必要となります。
■ 機器の形態、適合性、機能に影響を及ぼすオプション構成品の変更には、GTINの変更が必要です。同様に、利用可能な構成品のセットからのオプション構成品を除去する場合にも、GTINの変更が必要です。
除外対象:
注1:必須構成品の選択リストに新しい構成品(それにより、形態、適合性、意図した用途に影響を及ぼす機能を変更しないもの)を追加する場合は、GTINを変更する必要はありません。
注2:オプション構成品を機能的に同等な構成品と交換する場合は、新しいGTINは不要です。
注3:形態、適合性、機能に影響を及ぼさない新たなオプション構成品を、構成可能医療機器で使用可能なものとして追加する場合は、GTINを変更する必要はありません。
GTINの変更を必要とする場合の例:
構成品、およびそれらがどのように相互作用するように設計されているかにより、完成機器としての識別要件が確立されます。構成可能医療機器は、そのGTINおよび適用可能な可変データの属性(例: バッチまたはロット、シリアル番号、有効期限、製造日等)によって識別されます。そのため、以下に記載する場合を除き、同じGTINを維持しながら、構成品の組み合わせによって医療機器の構成を変更することが可能です。
図2-12 構成可能医療機器の例
*GUI = グラフィカル・ユーザー・インターフェース
■ 製品が患者用に特別に調整されている場合、通常のGTIN設定ルールは適用できない可能性があります。このような専用の機器については、機器を一意に識別し、マーキングしてください。
■ 構成可能医療機器はまた、医療機器の構成に含まれ得るオプション構成品を含むことがあります。オプション構成品により、機能の特徴づけや拡張を行います。
以下に示す例で、構成可能医療機器の必須構成品およびオプション構成品を説明します。
□ グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) - 必須構成品
□ 患者モニター – 必須構成品
□ 引き出し付き棚 – オプション構成品
□ 気化器モジュール – オプション構成品
図2-13 構成可能医療機器の例
追加情報:
構成可能医療機器に変更が加えられた場合、資産管理識別番号(GIAI)を機器所有者(リースまたは委託された機器の場合は製造者、所有している機器の場合はエンドユーザーとなる可能性があります)が設定することがあります。この場合、機器に関する変更管理は、GIAIで識別している特定の対象単位ごとの変更または保守の記録を介して取り扱うことになります。GIAIの詳細については、GS1 General Specificationsの「Assets」のセクションを参照してください。
2.2.3 医療機器としてのソフトウェア
医療機器ソフトウェアは、医療機器に組み込んで使用するか、それ自身が医療機器として使用されることを意図して開発されたソフトウェア・システムです。 該当するルールの範囲において、ソフトウェアは一つの商品であり、価格設定、受発注、請求が行われます。
医療機器ソフトウェアは、機器構成品と同じように必須部分と選択可能な部分のある、構成可能医療機器と同様の構造となっていることがあります。セクション2.2.2を参照してください。
医療機器ソフトウェアに、形態、適合性、機能および用途に影響を及ぼすような大きな変更を行った場合は、GTINを変更する必要があります。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINは、受発注、請求または発送が可能な医療機器ソフトウェアに設定します。異なるライセンス範囲(例えば、限られた数の使用者に対するものと企業向けのライセンス)では、異なるGTINの設定が必要です。
注: 主な変更の例としては、新しい、または修正されたアルゴリズム、データベース構造、構成、新しいユーザーインターフェイス、相互運用性のための新しいチャネルなどがあります。
注: ソフトウェアの変更は、機器の寿命を通して発生します。医療機器ソフトウェアについては、軽微な変更では新しいGTINは必要としません。軽微な変更の例としては、バグの修正、見栄えや使い易さの向上、セキュリティパッチ、操作性の向上などがあります。ソフトウェアバージョンを表すためのアプリケーション識別子(8012)は、ソフトウェアバージョンの管理が必要な場合に使用できます。ソフトウェアバージョン管理は、コンピュータソフトウェアの固有のステータスに固有のバージョン番号を割り当てるプロセスです。ソフトウェアバージョンを表すアプリケーション識別子(8012) の使用は、GTIN と組み合わせて行う必要があります。ソフトウェアのバージョン管理の詳細については、 GS1 General Specificationsの「Software version: AI (8012)」のセクションを参照してください。
GTINの変更を必要とする場合の例:
■ 医療機器ソフトウェアは、インストールされ、その包装やドキュメントと切り離された後も同じGTINで識別できなければなりません。
GTINの変更を必要としない場合の例:
■ セクション2.2.2の例で示す例は、対象機器を操作する医療機器ソフトウェアを含みます。 このようなソフトウェアは、選択したソフトウェア機能や機器構成品に基づいて設定変更ができます。 例えば、追加で、患者モニターを選択した場合、対象ソフトウェアは、この構成品 (患者モニター) を使用可能にしなくてはなりません。 このような場合、当該ソフトウェアに設定しているGTINを変更する必要はありません。
追加情報:
物理的な媒体を用いて流通される医療機器ソフトウェアは、対象ソフトウェアに設定されたものと同じGTINを当該媒体上に表示して識別できるようにしなければなりません。ダウンロードを通じてなど、電子的に流通する医療機器ソフトウェアは、「ヘルプ」画面など、スクリーン上にGTINおよび関連するアプリケーション識別子を表示するものとします。
「正味内容量」とは、ラベルに表示されている、包装に含まれる消費できる商品の量と定義され、これには正味重量、容量、入り数、単位が含まれることがあります。
包装上の、法的に表示が義務づけられている正味内容量の変更(増減)は、GTINの変更を必要とします。
GTIN設定の階層レベル:
■ 正味内容量が変更になる階層で新しいGTINが必要となり、影響を受ける上位の階層レベル全てに、新しいGTINが必要です。
■ 単品あるいはそれより下の階層で入り数が変更された場合、新しいGTIN を設定しなければなりません。
GTINの変更を必要とする場合の例:
図2-14 正味内容量の表示の変更-新しいGTIN
注:正味内容量の表示に変更がある場合、情報システムでは従来のヘルスケア商品と新しいヘルスケア商品を区別する必要があります。従来のものと新しいものとを区別できないと、医療ミスや不正確な単位価格設定につながる可能性があります。
追加情報:
正味内容量の表示は、消費者向けに表示する棚のラベル表示や単位あたりの価格設定に使用されます。正味内容量の表示は、薬局などの医療現場でも重要です。データの正確さおよび正味内容量に基づいて製品を区別できることは不可欠であり、遵守しないと患者や消費者に不利益やリスクをもたらす可能性があります。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品または新しい製品を以前あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
正味内容量の表示 | YES | YES | YES |
外寸(例えば、高さ、幅、奥行き)、または総重量を20%以上変更した場合は、新しいGTINの設定が必要です。
注:20%未満の変更でも、ブランドオーナーの判断で新たなGTINが必要となる場合があります。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINの設定は商品または単品レベルで行います。
■ 商品や単品レベルより上位の各パッケージ階層に、一意のGTINを設定します。
GTINの変更を必要とする場合の例:
■ 製品の総重量が、包装材の変更により0.34kg (0.75ポンド)から0.51kg (1.125ポンド)に50%増加した場合。
■ 1つまたは複数の軸の寸法を変更することで、ケースまたはパレットの向き(商品の入り数に変更はない)が変わる場合。
■ 折りたたみ箱の型の種類を減らすために、47 x 18 x 127mmの外寸の折りたたみ箱を62 x 20 x 115mmに変更した場合。
図2-15 外寸または総重量の変更
注:20%の変化は個々の寸法に適用され、立方体や容量には適用されません。
追加情報:
■ この規格は、製品の外寸及び総重量の変更にのみ適用されます。正味内容量の表示への変更については必ず、セクション2.3の正味内容量についてのルールに従ってください。
■ GTINの変更を行わずに、20%の閾値を避けて何度もサイズ変更を行うような行為は認められません。取引先には、外寸の変化について全て通知する必要があります。度重なる変更は取引先において問題を引き起こし、製品の流通に支障をきたす可能性があります。
■ 製品の寸法を決定するための、一貫した再現性のあるプロセスについては、GS1 Package Measurement Rules Standard を参照してください。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 医療提供者、消費者や取引先は、変更された、または新しい製品を以前あるいは現在の製品と区別することが予期されているか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
外寸または総重量の変更 | YES | NO | YES |
ヘルスケア分野では、認証マークの例を多数あげることができます。 認証マークとは、一連の規制基準に適合していることを示す、商品に表示されたシンボル、ロゴ、または語句です(例: 欧州認証マーク (CE) など)。 (以前はパッケージや商品本体に表示していなかった) 認証マークを商品に表示するよう変更した場合は、対象認証マークと関係がある市場向けに新しいGTINを設定しなければなりません。 GTINにより、その商品とパッケージ構成を一意に識別できることが、GTIN設定の基本原則です。
包装上の表示における、規制当局、取引先または最終消費者にとって重要な認証マーク(例えば、欧州認証マークCE)の、新規追加や既存のものの削除といった変更には、新しいGTINの設定が必要です。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINの設定は商品または単品レベルで行います。
■ 商品や単品レベルより上位のパッケージ階層の各レベルに、一意のGTINを設定します。
GTIN変更を必要とする場合の例:
国の認可や登録に必要な、国際的な流通経路に影響を及ぼす認証マークの製品ラベルへの表示、または変更は、取引先との間で伝達されなければならず、そのためGTINの変更が必要となります。
図2-16 認証マークの追加 - 新しいGTIN
ただし、新しい国や市場で販売のために認証マークを追加した場合でも、今まで商品を販売していた国や市場に影響が及ばなければ、上記のように新しいGTINを設定する必要はないことにも注意してください。
追加情報:
ブランドオーナーは、企業内の在庫管理と返品システムの責任を負っています。段階的に導入あるいは廃止する物流管理と同様、このようなシステムが、「従来の」 商品と 「新しい」 商品を識別できることが重要です。例えば、バッチ番号や商品の変動情報を使って、外部のサプライチェーンに影響が出ないように、これを効果的に達成できるのであれば、上述のシナリオでも新しいGTINを設定する必要はありません。
注:この方法を行う場合は、ターゲット市場や規制および顧客の要件に留意してください。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
認証マークの追加または削除 | YES | YES | YES |
プライマリーブランドは、ブランドオーナーによって決定される、医療提供者または患者から最も認識されやすいブランドであり、ロゴや名称、登録マークや商標として表すことができます。
商品に表示されるプライマリーブランドの変更には、新しいGTINの設定が必要です。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINの変更は、商品、単品レベル、または必要であれば、単品より下位のレベルで行います。
■ 商品/単品レベルより上位のパッケージ階層の既存の階層全てに、一意のGTINを設定します。
GTIN変更を必要とする場合の例:
ある社のプライマリーブランド名が「Healthcare Products Company」から「Leading Edge Healthcare Medical Products」に変更された場合。
追加情報:
共同ブランディング:企業が、元のブランドオーナーとの契約に基づき実施された製品ラベルに二次ブランド(共同ブランド)を適用する行為。
■ GTIN の設定は、共同ブランドを所有する企業が行います。
■ 適用される共同ブランドは、顧客が目にするパッケージ上で目立つブランドとして構築されるべきです。このことにより、その製品が、共同ブランド製品の「プライマリーブランド」として認知され、共同ブランドと製品との関係を保証します。
注:契約関係によっては、「プライマリーブランド」が共同ブランドではない場合があり、元のブランドの方をパッケージ上で目立つようにしておく必要がある場合があります。この場合、GTIN設定の責任は、元のブランドの所有者にあります。
販売元:ブランドオーナーとの合意により、製品の販売者としてラベル上に表記された事業者。ブランドオーナーが依然としてGTINの設定に責任を負うため、ラベルに販売元事業者の識別情報が追加された場合でも、新たなGTINは不要です。
注:「販売元」事業者の識別には、いかなる登録マークまたは商標も含まれてはならず、平易な文章のみで行われなければなりません。
自社商品ラベル:製造業者とラベル上でブランドオーナーとして認定される事業者との間に合意が存在する製品。ブランドオーナーはGTINの設定に責任を負うため、GTINの設定に対するブランドの整合性は保持されます。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
プライマリーブランド | YES | YES | NO |
一般的に、販促は商品を提供する方法の短期的な変更と考えられます。
特定のイベントや日付をターゲットとして、販促を行うための商品変更(パッケージの変更を含みます)において、その商品を特定の期間にのみ販売可能とするために、サプライチェーン上での取扱いに影響が生じる場合、新しいGTINを設定する必要があります。
GTIN設定の階層レベル:
■ 単品レベルではGTINの変更は必要ありません。
■ 単品より上位のパッケージ階層の各レベルは、期間限定の販促のために固有のGTINの割り当てを必要とします。
上位のレベルの包装(例えば、パック、ケース、パレット)で固有のGTINが必要とされる場合の例:
■ 販促期間において、試供品(それ自体はGTINにより識別されない)を付けて販売する場合で、もともとの商品の正味量に変更がなく、パッケージの寸法又は総重量について20%以上の変更がなされない場合。
GTIN変更を必要としない場合の例:
■ 2つ買うと、1つ無料で得られる、という販促。
■ (商品についている、あるいは複数の商品を括っている)帯のデザインは四半期ごとにローテーションするが、デザインには季節的または期間限定的な関連性はなく、通常製品とみなされる場合。
注:製品の内容に影響を及ぼす、または規制上の申請が新たに必要となる販促はすべて、大幅な変更とみなされ、新たなGTINを設定しなければなりません。
追加情報:
■ 期間限定の製品または販促製品については、商品/単品レベルのGTINを変更する必要はありませんが、サプライチェーンにおける追跡のために、より上位のレベルの包装を一意に識別する必要があります。
■ 地方、国または地域の規制により、より頻繁なGTINの変更が必要となる場合があります。そのような規制は、ヘルスケアGTIN設定ルール内で提供されるルールよりも優先されます。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
期間限定の製品または販促製品 | YES | NO | YES |
ここでは、事前に定められた入数を持つ集合包装商品を扱います。パックまたはケース(すなわち、集合包装商品)に含まれる商品数(入数)を変更する場合、新しいGTINが必要です。変更が生じた包装レベルおよび影響を受ける全ての上位のレベルに一意のGTINを設定する必要があります。事前に定められたパレット構成におけるケースの数量の変更にも、新しいGTINの設定が必要です。
GTIN設定の階層レベル:
■ 一意のGTIN を、変更した包装階層と、それより上の階層レベル全てに設定します。
より高レベルの包装(例えば、パック、ケース、パレット)において一意のGTINが必要とされる場合の例:
■ 8つの商品を含むケース構成から12の商品を含むケース構成に変更した場合、そのケースは一意に識別する必要があります。
■ パレットの構成を12ケースを含むものから16ケースを含むものに変更した場合、そのパレットは一意に識別する必要があります。
追加情報:
単品より下位の階層、使用単位および、より上位階層への包装に対するGTIN設定については、セクション2.1.2を参照してください。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
パック/ケースの数量
| NO | YES | YES |
2.8.1 商品としてのパレット
ここでのルールは、パレットが受発注可能な商品であり、受発注および請求の目的のために、GTINで識別する場合に適用されます。この場合、GTIN設定ルールが、パッケージ階層のものを含めて適用されます。
あらかじめ決められたパレット構成におけるケースの数量の変更には、新しいGTINの設定が必要です。パレットのレイアウトは、パレット上のケースに詰め込まれた商品のGTIN設定には影響を及ぼしません。したがって、パレット用のGTINを変更しても、より下位の包装のレベルのGTINを変更する必要はありません。
GTIN設定の階層レベル:
■ パレットが受発注可能な商品の場合、異なる数量のケースを含む各パレット構成に一意のGTINを設定します。
GTINの変更を必要とする場合の例:
図2-17 受発注のための、追加あるいは新たなパレット構成には、異なるGTINが必要です。
追加情報:
■ パレットはそれ自身が商品(すなわち、価格設定、受発注、請求が行われる)である場合にのみGTINを必要とします。
■ パレットが物流単位(例えば、出荷、輸送、貯蔵)の場合は、出荷梱包シリアル番号(SSCC)で識別します。
■ 物流におけるラベリングとSSCC の詳細については、GS1 General Specificationsを参照してください。
あらかじめ決められた詰め合わせは、2つ以上の異なる商品を組み合わせて1つの商品として販売されるパックと定義されます。
あらかじめ決められた詰め合わせの中の、1つ以上の商品の変更、追加または置き換えには、新しいGTINの設定が必要です。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 消費者、患者、医療提供者や取引先は、変更された製品、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されるか? | 消費者や取引先に対する規制あるいは責任開示要件はあるか? | サプライチェーン及び取引先に実質的な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
あらかじめ決められた詰め合わせ | YES | YES | YES |
2.9.1 キット
キットは、特定の臨床目的または商業目的のために1つの商品として識別、購入、供給される、同一でなく分離可能な構成品のコレクションです。
キットには主に2種類あります:
■ 完成品キット:完成品のみを集めたキット。各構成品はGTINによって識別される商品です。構成品は個別に包装されている必要はありませんが、キットとは別に、構成品の包装レベル(例: 販売される、識別される、商流に乗せられるなど)で、それぞれ一意に識別されます。
■ 製造キット:キットを組み立てる過程で完成するキット。製造キットのうち少なくとも1つの構成品は最終商品ではないため、GTINでは識別されません。
GTIN設定の階層レベル:
キットの作成者またはキッターは、GTINをキットに設定する責任があります。
■ GTINの変更は、キットおよびその上位のすべてのレベルで行います。
以下のGTIN変更ルールが適用されます:
■ キットの構成品の追加には新しいGTINが必要です。図2-18 キットへの構成品の追加を参照してください。
■ キットの構成品の削除には新しいGTINが必要です。図2-19 キットからの構成品の削除を参照してください。
■ キットの構成品がGTINやブランドオーナーのアイテム番号によって識別されており、そのキットの構成品を変更した場合、キットのGTINは変更しなければなりません。図2-20 GTIN等により特定される構成品を備えたキットを参照してください。
■ キットの構成品が説明書のみにリスト化されている場合(すなわち、GTINやブランドオーナーのアイテム番号もない)、キットの製造者はキットのGTINを変更することなく、そのキットの構成品(形態、適合度、機能を維持するもの)を代替しても構いません。図2-21 GTIN等により特定されない構成品を備えたキットを参照してください。
GTINの変更を必要とする場合の例:
図2-18 キットへの構成品の追加
図2-19 キットからの構成品の削除
図2-20 GTIN等により特定される構成品を備えたキット
図2-21 GTIN等により特定されない構成品を備えたキット
本体表示価格とは、ブランドオーナーが、パッケージ上にその商品価格を表示しているものをいいます。このルールは、価格のチケット、シール、下げ札、または包装や製品から取り出すことができるものに表示されたものには適用されません。
製品パッケージに直接表示(推奨はされません)された価格の追加、変更または削除には、新しいGTINの設定が必要です。
GTIN設定の階層レベル:
■ GTINの変更は単品レベルで行われます。
■ 単品レベルより上位のパッケージ階層のレベルごとに、一意のGTINを設定します。
GTINの変更を必要とする場合の例:
■ パッケージにあらかじめ印刷された価格が3ユーロから2ユーロに変更される場合。
■ 商品のパッケージに販売価格8ユーロが追記される場合。
追加情報:
事前の価格設定は、サプライチェーンを通じて商品情報のメンテナンスを複雑にするため、取引慣行としては推奨されません。さらに、消費者への価格表示(本体上)が、請求される価格(小売業者またはヘルスケアシステムでの価格)と異なる恐れがあります。ただし、事前の価格設定は規制当局からの必須要件となる場合があります。
関連する基本原則:
GTINルール名 | 医療提供者、消費者や取引先は、変更された、または新しい製品を以前の、あるいは現在の製品と区別することが予期されているか? | 消費者や取引先に対する規制や責任開示要件はあるか? | サプライチェーンに重大な影響があるか(例えば、当該製品がどのように出荷、保管、受領され、臨床現場で取り扱われているか)。 |
本体表示価格 | YES | YES | YES |
3 臨床試験
臨床試験は、治療法、インターベンション、検査の有効性と安全性を調べるために、病気や病状を予防、管理、検出しながら行われます。臨床試験では、新しい治療法を既存の治療法と比較したり、既存の治療法の異なる組み合わせを検証したりする他、他の生活習慣因子や患者の健康状態への影響を調べることもあります。
臨床試験は、今日の医療サプライチェーンでは見られない製品識別の複雑さを有しています。治験薬の唯一性は、多くの場合、一人の患者だけに結びつくということを指しており、製品の実証として特定される必要があることを意味します。盲検試験では、盲検化された関係者は、治験薬が試験薬であるか、比較対照薬であるか、偽薬であるかをラベルからは確認できないようにする必要があります。臨床試験へのGS1標準の適用は、これらの複雑さと業界のニーズを考慮に入れなければなりません。
製品の提供方法が変更された場合は、臨床試験申請基準を参照してください。
■ GTIN設定ルールに関する詳細情報については、Identification of Investigational Products in Clinical Trials Application Standardのセクション7を参照してください。
■ 一般的な情報については、Identification of Investigational Products in Clinical Trials Application Standardを参照してください。
4 GTINに関する追加情報
商品識別コード(Global Trade Item Number)
商品識別コード(GTIN)は、企業が自社のあらゆる商品を一意に識別するために使用されます。GS1は、サプライチェーン上のどこかで、事前定義された情報を引き出し、価格設定、受発注、または請求を行う可能性のある品目(製品またはサービス)を、商品と定義しています。GTIN の詳細については、GS1 General Specificationsを参照してください。
GTINの構造
企業は、GS1 加盟組織から GS1事業者コード(GS1 Company Prefix) のライセンスを取得することが可能であり、このライセンスには、GTIN を自社製品に設定する方法に関する全資料が付属しています。
GTINは、特定の意味を持たない数字として扱う必要があります。このことは、GTINは常にそのまま記録され、処理されるべきで、番号の一部が何らかの分類に関連することや、何らかの情報を伝えるものではないことを意味しています。
GS1事業者コード(GS1 Company Prefix)
GS1事業者コードは、ユーザー企業が、GTIN、SSCC、GIAI などの GS1 識別コードを作成するために、GS1加盟組織からユーザー企業に貸与されるものです。
注:GS1事業者コードは、どのGS1加盟組織が発行したかを特定するために使用することはできますが、商品がどこで生産されたか、どこで流通したかを特定するために使用することはできません。
U.P.C. Company Prefix
U.P.C. Company Prefixは、ゼロ('0')で始まるGS1事業者コードから、先頭のゼロを削除して作成されます。U.P.C. Company Prefixは、12桁の商品識別子(例えば、GTIN-12)の作成にのみ使用されます。U.P.C. Company Prefixにリーディングゼロを付加した場合、これはGS1 事業者コード となり、他のすべてのGS1 識別コードを発行するために使用できるようになります。
注:例えば、6桁のU.P.C. Company Prefix 614141は、7桁のGS1事業者コード0614141から派生します。
商品アイテムコード(Item Reference)
商品アイテムコードは、一意のGTINを設定するために、GS1事業者コードまたはU.P.C. Company Prefixの保有者が設定するGTINの構成要素であり、特定の意味を持たない数字です。 つまり、数字のどの桁も、何らかの分類にも関連していたり、何らかの特定の情報を伝達したりすることはありません。 000、001、002、003のように順番に設定することが、商品アイテムコードの最も簡単な設定方法です。
チェックデジット(Check digit)
チェックデジットは最後の1桁の数字です。 チェックデジットはGTINの他の全桁を使って算出されます。
以下の図は、4つのGTINの構造とそれらをデータベースにどのように保存すべきかを示しています。GTINは右揃えにして、左側はゼロで埋めます。
注 1: GTINを14 桁の固定長データとしてエンコードする必要のあるデータキャリアで利用する場合、14桁未満のGTINには、単なる桁数穴埋めとして機能する「ゼロ」を前につけなければなりません。穴埋めのゼロを追加しても、GTIN-8、12または13がGTIN-14に変わるわけではありません。「穴埋め」のゼロは、EAN-8、U.P.C-AまたはEAN-13バーコードには使用しません。
注:2:14桁のGTINフォーマットは様々な商取引、特にイーコマース (電子オーダー、請求書、価格カタログなど)における商取引やGlobal Data Synchronisation Network (GDSN)で使用されています。
インジケータ(Indicator)
インジケータは、GTIN-14のデータ体系のみに使用します。 インジケータは1から8までの数字で(以下の注1を参照)、低い階層または高い階層のパッケージレベルに使用します。 その商品の各集合包装単位に1、2、3と順番に設定することが、インジケータの最も簡単な設定方法です。
集合包装とは、受発注可能な、同一商品を複数まとめたものです。ブランドオーナーは、各集合包装に一意のGTIN-13またはGTIN-12を割り当てるか、あるいはインジケータの値が1~8のGTIN-14を一意に設定するか、のいずれかの選択肢を有します。GTIN-14には、各集合包装に含まれる商品のGTIN(チェックデジットを除く)が組み込まれます。それぞれのGTIN-14のチェックデジットは再計算する必要があります。インジケータには1~8の値の選択肢があるため、8つの異なるGTIN-14を、一つのGTIN-13またはGTIN-12から作成することができます。
インジケータの数字は意味を持ちません。数字は順番に使用する必要はなく、まったく使用しない場合もあります。標準的な集合包装ではGTIN-14構造を用いることにより番号付けに余裕が生じます。インジケータの数字は、GTINを作成する企業が必要に応じて設定します。
注1:インジケータの値9は、不定貫商品のためにリザーブされています。不定貫:ケースに含まれる商品の量が事前に定められていない場合、その商品は不定貫です。例えば含まれる単位数や重量といった、不定貫商品に関連する属性のいくつかは、事前には定められずに、製品が製造される時点でのみ判明することになります。商品が、事前に定められた属性を必ず持つ定貫であるか、または含まれる単位数のような、事前には定められずに、事例ごとに特有である不定貫のものであるかは、あらかじめ決定する必要があります。このような場合には、インジケータ9およびアプリケーション識別子(30)と合わせてGTIN-14を使用することができます。詳細については、 GS1 General Specificationsの「Variable count of items: AI (30)」のセクションを参照してください。不定貫に関する追加情報は、 GS1 General Specificationの以下のセクションに掲載されています。:「Variable measure trade items scanned in general distribution and Variable measure trade items scanned at retail Point of Sale」
注2:小売店のスキャナーの中には、EAN/UPC(GTIN-14をコード化できない)以外のバーコードシンボルの読み取りと解釈ができないものがあります。
注3:詳細については、GS1 General SpecificationのGTINのセクションを参照してください。
注4: GTIN の設定方法についての詳細は、How to create a GTINを参照するか、地域のGS1加盟組織にお問い合わせください。
5 用語集
用語の最新の解説については、 www.GS1.org/glossaryを参照してください。
Term | 定義 | |
Application identifier (AI) | アプリケーション識別子(AI) | それぞれのデータ列の前に置かれる2桁以上の数字よりなるフィールドで、対象要素のフォーマットや意味を一意的に定義する。 |
Assay | アッセイ | アッセイは、目的物(分析物)の存在、量、または機能的活性を定性的に評価または定量的に測定するための、実験医学、薬理学、環境生物学および分子生物学における調査(分析)手順である |
barrier pack | バリアパック | 内容物を外部物質との接触やその他の外部影響から遮蔽する包装の一種。材料及び包装工程によっては、光、湿気又は微生物にから防護し、内容物の無菌性を保つことができる。 |
blister pack | ブリスターパック | 包装の一種で、基剤(一般的にはプラスチックまたは金属ホイル)が1つ以上のブリスター(水疱状に形成された層)を形成しており、通常各ブリスターに1つの製品単位を含んでいる。ブリスターセルの開封口は、通常、プラスチック、金属ホイルあるいは紙の層で密封されているが、セルから内容物を取り出す際に穴が開き、操作したことが明白になるように工夫されている(改ざんの証拠となる)。 |
brand owner | ブランドオーナー | 商品の製造場所や製造者とは無関係に、その商品の仕様書を所有している組織。ブランドオーナーは通常、商品識別コード(GTIN)の管理を担う。 |
breather packaging/pouch | ブリーザー包装/パウチ | 繊維状素材で形成された層状パッケージ。縫合糸または縫合針の集合体のような手術に用いる材料のためのブリーザー包装は、繊維状材料の層とその間にポケットを形成するためのプラスチック素材の層を有している。 |
check digit | チェックデジット | いくつかのGS1識別コードで、他の桁の値を用いて算出する最後の桁。チェックデジットを使って、データが正しく組み立てられることをチェックする。 |
caplet
| カプレット | 内服用のコーティングされた錠剤。 |
Co-branding
| 共同ブランディング | プライマリーブランドと共存している製品のラベルやパッケージに、追加の認識可能なブランド(二次ブランド)、ロゴ、商標、または登録マークを適用する行為。通常、オリジナルブランドの所有者との契約に基づいて行われる。 |
direct part marking
| ダイレクトパーツマーキング | 侵襲的にまたは侵襲的な方法を用いて商品上にシンボルをマーキングするプロセスをいう。 |
dosage | 投与量(ドーズ) | 薬剤の1回あたりの用量及び薬剤の投与頻度 |
each/base unit | 商品のパッケージ階層において、小売消費者向けの商品レベルを表す。最小の取引包装単位を示す。このレベルは、複数の使用単位を含んでいることがある。 | |
Electronic Product Code (EPC)
| EPC | 電子タグその他の手段によって、物理的な対象物(例えば、商品、資産、ロケーションなど)を世界共通の方法で特定するための識別方式。標準化されているEPCデータは、個々の対象物を固有に識別するEPCと、EPCタグを効果的に能率よく読み取るために必要と見なされる場合にオプションで使用するフィルター値で構成される。 |
element string
| データ列 | GS1アプリケーション識別子とGS1アプリケーション識別子データ領域を合わせたもの。 |
equivalent | 同等 | 供給者が定義した既存の商品との機能的同等性に基づき、既存の商品の代替となりうる製品。 |
formulation | 製剤 | 最終の医薬品を構成する、有効成分を含む様々な化学物質の組合せの定義。 |
Form, fit or function
| 形態、適合性または機能 | 意図した目的・用途の変更、あるいは、カスタマーへの伝達が必要となる、製品の仕様やデザインの変更。 |
GS1 Company Prefix (GCP)
| GS1事業者コード(GCP) | GS1 識別コード設定に使用する4桁から12桁の固有のデータ列。先頭の数桁は有効なGS1プリフィックスで、長さはGS1プリフィックスよりも最低1桁長くなければならない。GS1事業者コードはGS1加盟組織が発行する。GS1事業者コードの長さは異なるため、発行済みのGS1事業者コードと同じ数字で始まるより長いデータ列は除外される。 U.P.C.カンパニープリフィックスも参照のこと。 |
GS1 General Specifications | GS1 総合仕様書 | バーコード、RFID、およびGS1識別コードを利用した商品、ロケーション、物流単位、資産、およびその他の対象に対するマーキングと自動識別に関するGS1のデータとアプリケーションの標準を定義したもの。 |
GS1 Global Office | GS1本部 | ベルギーのブリュッセルと米国のプリンストンを本拠地とする、GS1標準を管理するGS1加盟組織よりなる組織体。 |
GS1 Member Organisation (GS1 MO) | GS1加盟組織(GS1 MO) | GS1のメンバーであり、自国 (または、割り当てられた地域) における GS1システムの管理に責任を持つ。 加盟組織の任務には、ブランド・オーナーが GS1標準を正しく使用することを確実なものとし、そのための教育やトレーニング、利活用の推進やサポートが受けられ、また、GSMP (Global Standards Management Process) 活動へ積極的に参画できるようにすることも含まれる。 |
GS1 system | GS1 システム | GS1が管理する仕様、標準、およびガイドライン。 |
Global Trade Item Number® (GTIN®) | 商品識別コード(GTIN®) | 商品の識別に使うGS1識別コード。コードはGS1事業者コード、商品アイテムコード、チェックデジットから構成される。 |
Global Data Synchronisation Network (GDSN) | Global Data Synchronisatoin Network (GDSN) | 相互運用可能なデータプールのネットワーク。共同作業を行うユーザーがGS1 標準に基づいたマスターデータを安全に同期することを可能にする。 |
Graphic user interface (GUI) | グラフィカルユーザインタフェース (GUI) | 入力されたコマンドラベルやテキストナビゲーションといったテキストベースのユーザーインターフェイスの代わりに、主要な表記などのグラフィカルアイコンやオーディオインジケータを使用して、ユーザーが電子デバイスとやり取りできるようにするユーザーインターフェイスの形式。 |
indicator | インジケータ | GTIN-14の左端の1から9までの数字。 |
item reference | 商品アイテムコード | GTINの構成部分の一つであり、ブランド・オーナーが固有のGTINを設定するために割り当てる。 |
HRI | 目視可能文字 (HRI) | バーコードまたはタグの下、横、または上に表示する情報。バーコードまたはタグの中にエンコードされ、保持されている文字と同じ文字を表す。詳細については、GS1 General Specificationの「Human readable interpretation (HRI) rules」のセクションを参照のこと。 |
kit | キット | 単一の治療で使用するために集められた異なる規制対象ヘルスケア商品のコレクション。 |
Kitter | キッター | キットの内容、仕様、ラベル表示を定めるブランドオーナー。キッターはキットを組み立てることも、組み立てないこともあり、第三者と契約して最終商品を生産することもある。 |
Level below the each | 単品より下の階層 | GS1標準での商品の最下位の階層レベルは伝統的に「単品」レベルと呼ばれている。「単品」レベルの商品は複数の使用単位を含んでいることがある。この場合、使用単位、すなわち、「単品」より下位のレベルを識別する必要があることがある。ヘルスケア業界では、「Healthcare Pont of Care」で使用される「より小さい」または「より下位の」単位があることがあり、一般的に「単品より下の階層(level below the each)」と呼ばれる。 |
medical device | 医療機器 | メーカーが何らかの医療目的のために、人に対して単独または組み合わせて使用することを意図した器具、器材、用具、機械、装置、インプラント、体外診断薬 (in vitro reagent)や校正機器、ソフトウェア、材料、あるいはその他の類似もしくは関連したもの。 |
Non-HRI | Non-HRI | パッケージ、ラベル、または商品に表示されるHRI以外のすべてのテキストのこと。詳細については、GS1 General Specificationの「Human readable interpretation (HRI) rules」のセクションを参照のこと。 |
Pharmaceutical product | 医薬品 | せき止めシロップや睡眠薬など、治療薬として使用されるあらゆる種類の薬剤のこと。 |
Primary brand | プライマリーブランド | ブランドオーナーによって決定される、医療提供者や患者が最も認識できるブランド。ロゴ、登録マークまたは商標として表されることがある。 |
primary package | 一次包装 | 包装の最も内側の層、すなわち製品 (錠剤、インプラント、器具など) に最も近い層。 |
Regulated Healthcare Trade Item | 規制対象ヘルスケア商品 | 管理された環境(例えば、小売薬局や病院薬局)で販売または使用される医薬品または医療機器。 |
Rx (medical prescription product) | Rx (処方製品)
| 医療の処方箋または直接の医療的な介入を必要とする薬剤または医療用品。典型的な例としては、薬用包帯、鎮痛剤、注射剤などがあり、通常は適切な医療従事者からの処方箋でしか得ることができない。 |
seal inner through outer (SITO) | シールインナースルーアウター(SITO) | 2層からなるバリアパッケージの一種。特別な製造工程により、内側の層(一般的にはホイルパウチ)を、最初は内容物の滅菌のために開けておき、その後、外層を介して密封することにより、内部を無菌のまま保つことができる。 |
secondary package | 二次包装(Secondary package) | 一次包装を覆う包装の層。製品表示とブランディングの目的で、あるいは一次包装では十分でない物理的な防護の追加として施されることがある。複数の一次包装を含むことがある。 |
single unit package/blister | シングル・ユニット・パッケージ / ブリスター | 1分離単位の医薬品剤型を含むヘルスケア製品の1次包装の事であり、一つのタブレットや、ある一定量の液体や、シリンジのような医療機器を直接包装したものである。 幾つかのシングル・ユニットを互いにくっつける場合もあるが、それらはミシン目から簡単に分ける事が出来る。 |
strength | 力価 | 医薬品中の有効成分の量 |
trade item: | 商品 | サプライチェーン上のどこかで、事前定義された情報を引き出し、価格設定、受発注、または請求を行う可能性のある品目(製品またはサービス) |
U.P.C. Company Prefix | U.P.C. Company Prefix | ゼロ('0')で始まるGS1事業者コードから先頭のゼロを削除したコード。U.P.C. Company Prefix となる。U.P.C. Company PrefixはGTIN-12の発行に使用される。 |
免責事項
Log of Changes
発行 | 変更月 | 変更担当者 | 変更概要 |
9.0.1
| 2015年7月 | Valerie Hoste
| 新規GS1ブランディングへの対応、誤植訂正、ならびに図5-11(医療機器の例)の追加 |
9.0.2
| 2015年12月 | David Buckley
| 誤植訂正、セクション5.1.8中の参照箇所の訂正、ならびに誤った参照図の訂正 |
10.0 | 2020年6月 | Pete Alvarez | 作業依頼18-294。文書全体の完全な見直しを実施し、全体的に内容を明確にし、更新した。一貫性と相互参照のために表の内容を一致させるなど、GTIN 設定ルールとの整合化を適宜行った。臨床試験に関する情報を追加した。 |
免責事項
GS1は、その知的財産ポリシー(IPポリシー)のもと、本GS1ヘルスケアGTIN設定ルール (GS1 Healthcare GTIN Allocation Rules Standard) を策定したワーク・グループの参加者に対し、GS1 IP Policyで定義されている必須クレーム(Necessary Claims)に対する無償ライセンスあるいは合理的かつ非差別的 (RAND) ライセンスを、GS1のメンバーに提供する事に合意することを要求している。 このことにより、知的財産クレームに関する不明確さをなくすことに努めている。 さらに、本仕様の一つあるいは複数部分の利活用に際して、必須クレームを含まない特許その他の知的財産権の対象となる可能性がある事も注意喚起している。 このような特許その他知的財産権のいかなるものも、GS1のライセンス義務の対象ではない。 また、GS1 IPポリシーのもと提供されたライセンス供与に関する合意には、対象ワーク・グループの参加者でない第三者のIP権利もいかなるクレームも含まれていない。
したがって、本仕様に適合するように利活用を推進するあらゆる組織は、本仕様に適合させるように当該組織が開発中の特定の利活用を包含する可能性のある特許が存在するか否か、また、ある特許その他知的財産権に対するライセンスが必要か否かを確認するべきである。 このような、ライセンシングに関する確認は、当該組織により設計された特定システムの詳細を考慮の上、自組織の特許顧問との協議の上なされるべきである。
本書は、商品性、非侵害、特定目的への適合に対する保証あるいは本仕様に起因する一切の保証を含むいかなる保証も組み入れずに、"現状のまま"提供される。 GS1は、本書の、あるいは本書を根拠とした情報の使用に関して、特異的、間接的、派生的または補償的損害であるかに係わらず、また、あらゆる知的財産権に関する侵害責任などを含めて、本標準の使用や誤使用に起因する如何なる損害にも一切責任を負わない。
GS1は、予告なしに本書をいつでも変更する権利を保持する。 GS1は、本書の使用に関して保証するものではなく、本書中に含まれ得るいかなるエラーにも責任を持たず、ここに含まれる情報の更新を約束するものでもないとする。
GS1およびGS1ロゴは、GS1組織が商標登録を行っている。
Useful links:
* GS1ヘルスケアGTIN設定ルール en PDF
* English PDF version of this GS1 Healthcare GTIN Allocation Rules Standard
* Decision support tool https://www.gs1.org/1/hcgtinrules/en/decision-support